ふるさと納税のビール返礼品|返礼品ページに何をどう書くのか
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ふるさと納税のビール返礼品|返礼品ページに何をどう書くのか

2026.04.11 12min read Written by TAP TO BREW 編集部
目次

返礼品ページには、何をどう書くのか

先に埋めるのは、法令が書けと言っている項目です。 缶やラベルに必ず載る5つと、酒類を通信販売するときに置き場所まで決まっている注意表示。ここを埋めてから、保存方法・配送・届くまでの日数といった、寄附者が判断に使う情報を足します。順番を逆にすると、写真も文章も撮り直しになります。

缶に必ず載るのは5つ

酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第86条の5が「酒類の品目その他の政令で定める事項を、容易に識別することができる方法で……容器又は包装の見やすい所に表示しなければならない」と定め、中身を同法施行令第8条の3第1項が並べています(e-Gov 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律/同施行令、2026年9月8日にAPIで原文取得)。

項目 根拠
製造者の氏名又は名称 施行令8条の3第1項の柱書
製造場の所在地 同(財務大臣に届け出た記号での表示も可・同条5項)
内容量 同項第1号
品目 同項第2号(ビール/発泡酒など)
アルコール分 同項第3号

これに加えて、その他の発泡性酒類には発泡性を有する旨(同項第5号)が要ります。この5つは、寄附者がページ上で最初に探す項目とほぼ重なります。 ラベルの校正が上がった時点で、同じ文字列をページ側にも書き写しておくと、後で照合する手間が消えます。ラベル側の要件はオリジナルビールのラベル表示義務にまとめています。

20歳未満の飲酒防止の表示は、置き場所が3つに分かれている

平成元年11月22日 国税庁告示第9号「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準」の第7項が、通信販売を3つに分けています(国税庁、2026年9月8日確認)。求められる文言が場所ごとに違うので、1か所に同じ文を貼って済ませられません。

  • 広告又はカタログ等(インターネット等によるものを含む)— 「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」又は「20歳未満の者に対しては酒類を販売しない」旨
  • 購入申込者が記載する申込書等(インターネットで申込みを受ける場合は申込みに関する画面)— 申込者の年齢記載欄を設けた上で、その近接する場所に、上と同じいずれかの旨
  • 購入者に交付する納品書等(インターネットによる通知を含む)— 「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」旨

第8項が文字の大きさも決めています。10ポイントの活字以上、インターネット等による場合は酒類の価格表示に使っている文字以上です。容器側は別で、第2項が6ポイント以上、容量360ml以下の容器は5.5ポイント以上としています。

申込画面は、たいてい自分たちの持ち物ではない

返礼品ページの本文は書けても、申込画面(カート・寄附申込フォーム)はポータル側の仕様です。年齢記載欄と、その近接する場所の表示がどうなっているかは、掲載を決める前にポータル事業者へ確認する項目になります。納品書・発送完了メールについても、誰が発行するのか(自治体/ポータル/発送する事業者)で担当が変わります。3か所のうち、自分たちが直せるのはどれかを先に確定してください。誰が売主になるのかという手前の論点はふるさと納税の返礼品にクラフトビールを出す|制度側で先に決まっている5つのことで扱っています。

保存方法と配送の温度帯を、どう書くか

常温で送れるかどうかは、商品ごとの保存方法の指定で決まります。 スタイル名でも、「生」かどうかでも決まりません。しかも酒類は保存方法の表示を法令上は省略できるので、書かなければ寄附者には伝わりません。

酒類は、保存方法の表示を省略できる

食品表示基準第3条第3項の表は、義務表示のうち省略できるものを区分ごとに並べていて、「保存の方法」の欄に酒類が挙がっています(e-Gov 食品表示基準、2026年9月8日にAPIで原文取得)。省略できるということは、書くかどうかが出す側の判断になるということです。返礼品では、届いた人が冷蔵庫に入れるべきか常温の棚でよいかを判断できないと、そのまま問い合わせになります。

醸造所が指定している保存方法を、そのままページに書き写すのが確実です。酵母が残っているものには要冷蔵の指定が付きやすく、ろ過して酵母を落としたものには常温で流通できるものがあります。 ただし、ろ過したから常温、と一対一で結び付けないでください。判断の材料は醸造所が出す保存方法の指定であって、製法名ではありません。

「生ビール/ドラフト」は、熱処理をしていないという意味だけ

ビール酒造組合は特定用語の表示基準として、「生ビールおよびドラフトビール」を熱による処理(パストリゼーション)をしていないビールと説明しています。あわせて「ラガービール」は貯蔵工程で熟成させたビールで、熱処理をする・しないに関係ないとも書かれています(ビール酒造組合 ビールの表示、2026年9月8日確認)。

つまり「生」は保存温度について何も言っていません。 ページの見出しに「生」と書き、保存方法の欄を空けたままにすると、読んだ人はそれぞれ違う推測をします。

冷蔵で送るなら、温度帯と受け取りの条件を書く

冷蔵で送ると決めたら、ページに書く項目が増えます。ヤマト運輸のクール宅急便は、冷蔵タイプが0〜10℃、冷凍タイプが-15℃以下で管理されます(ヤマト運輸、2026年9月8日確認)。使う運送会社と温度帯を先に決めてから、次の3つを本文に置いてください。

  • 冷蔵便で届くこと(常温便と一緒に送れない場合はその旨も)
  • 受け取りの条件。宅配ボックスや置き配の扱いは常温便と違うことがあるので、使う運送会社の規定を確認して、そのとおりに書く
  • 不在が続いたときにどうなるか(保管期間と、その後の扱い)

冷蔵便は送料が上がり、その送料はふるさと納税の募集に要する費用の側に入ります。ページの書き方を決める打ち合わせと、物流の見積は同じ日にやってください。

賞味期限を書くか、書かないか

酒類は期限表示そのものを省略できます。 食品表示基準第3条第3項の表は、「消費期限又は賞味期限」の欄にも酒類を挙げています(出典は前節と同じ)。国が一律の日数を決めているわけではなく、製品ごとに造り手が決めます。

寄附者が知りたいのは、届いてからの日数

省略できるからといって、書かない判断がそのまま親切になるわけではありません。返礼品は、寄附してから届くまでに時間があり、届いた時点で残り何日あるのかが読めません。ページに置くなら、次の2つを分けて書くと誤解が減ります。

  • 製造からの期限(缶に記載があるならその形式も。年月までなのか年月日までなのか)
  • 発送時点で残っている日数の下限(「発送時点で賞味期限まで◯日以上のものをお送りします」の形)

書くと決めたら、根拠と運用が要る

期限を書くと、その日数の設定根拠と、下回った在庫を出さない運用が同時に必要になります。消費者庁のガイドライン(令和7年3月)は2(3)イで、安全係数は「1に近づけること」、差し引く時間や日数は「0に近づけること」が望ましいとしています。かつて目安として示されていた0.8という数値は、現行版の本文にありません(消費者庁 食品期限表示の設定のためのガイドライン、2026年9月8日確認)。古い解説に載っている0.8を根拠に書かないでください。

同ガイドライン2(5)アは、表示責任者に期限設定の根拠に関する資料等を整備・保管し、消費者等から求められたときには情報提供するよう努めることを求めています。返礼品では、その問い合わせ先が自治体になります。醸造所が持つ根拠資料を、誰がどこまで保管するのかを契約の段階で決めておいてください。

年に1度しか仕込まない銘柄で掲載を通年にすると、後半に出る分の残り日数が短くなります。掲載期間と仕込みの回数は、期限の書き方とセットで決まります。

写真で伝わること、伝わらないこと

写真で確実に伝わるのは、数えられるものだけです。 本数、容量、缶か瓶か、化粧箱が付くか。味は伝わりません。

数えられるものは、写真で数えられるようにする

セットの返礼品で最も多い誤解は、本数と容量です。1枚目に全数が写っていない構成にすると、説明文を読まない人には伝わりません。次の4つは、写真の中で数えられるか、文字で併記されているかのどちらかにしてください。

  • 本数と、それぞれの容量(350ml缶◯本、といった形)
  • 容器の種類(缶か瓶か。栓抜きが要るかどうかは、受け取る側にとって別の情報です)
  • 化粧箱・ギフト箱の有無と、外観
  • 同梱物(説明カード、のしなど)があるならその現物

味は、写真の横に文字で置く。ただし断定しない

味の説明は、造った醸造所の言葉を引くか、審査会などの客観的な記録を引くかのどちらかにします。飲んでいないものの味を出す側が言い換えると、根拠のない断定になります。

書き方としては、原材料(使った麦芽・ホップ・副原料)とアルコール分、スタイル名を並べたうえで、醸造所のコメントを引用として置く形が扱いやすいです。「必ず気に入る」「他にはない味わい」といった書き方は、裏付けが出せません。

地域の風景を背景に置くなら、産地の裏付けと揃える

地域の風景や特産品を背景に入れる構成はよく使われますが、写真で示した産地と、原材料表示・地場産品基準の判定が食い違わないようにしてください。区域内産の原材料を前面に出すなら、その根拠は募集を始める前に用意する側の話になります。地場産品基準そのものの読み方は別の記事で扱う予定です。

問い合わせが来る項目を、先にページへ置く

返礼品の問い合わせは、内容の話より先に「届き方」で来ます。 次の項目は、来てから答えるのではなく、ページに書いておくものです。

届き方の4つ

  • 何本入りか — セット内訳と、それぞれの容量・スタイル
  • いつ届くか — 寄附から発送までの日数、季節限定なら発送時期、年末年始の扱い
  • 不在時にどうなるか — 前述の温度帯の条件と、保管期間
  • 20歳未満は申し込めるか — 申込画面の年齢確認と、告示第9項が求める表示がどこに出るか

原材料とアレルゲンは、省略できない

食品表示基準は、栄養成分の量及び熱量については酒類を省略できる区分に挙げていますが、アレルゲンは省略できる表に入っていません(同基準第3条第2項・第3項)。特定原材料は別表第十四に9品目が並んでいます — えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生。カシューナッツは2026年4月1日に追加されたばかりです(消費者庁 食物アレルギー表示、2026年9月8日確認)。

小麦麦芽を使うスタイルや、副原料に木の実・果実を使う企画では、ここが直接効きます。缶のラベルと返礼品ページで、原材料の並び順まで揃えてください。

やらないほうがいい場合

次のどれかに当たるなら、ページを作る前に企画の形を戻したほうが早く済みます。

  • 保存方法の指定を醸造所からもらえていない — 常温か要冷蔵かが決まらないと、配送も送料も書けません
  • 申込画面と納品書の担当が決まっていない — 告示第7項の3か所のうち、誰がどれを直すのかが空白のままになります
  • 写真だけ先に撮ってしまった — 本数・容量・箱の有無が変わると、撮り直しになります
  • 味の説明を出す側の言葉で書きたい — 引ける一次の記述が無いなら、原材料とスタイルの記述に寄せます

費用の目安・期間・最低ロット(TAP TO BREW の場合)

金額と期間は案件ごとに幅があります。ここに置くのは自社の公開値だけです(TAP TO BREW、2026年9月8日確認)。

3つの数字

  • 費用 — 初期制作費 50〜70万円(うちOEM醸造費 20〜25万円)。初期制作費と継続支援費の2層です
  • 期間 — 初回相談からリリースまで概ね2〜3ヶ月(TSURATSURA サービスのFLOW)
  • 最低ロット — 48本(350ml)から

製造・販売を醸造所の花園クラフトが担う形では、依頼する側に酒類販売業免許は要りません。 連携先の醸造所・花園クラフト(大阪府東大阪市)が製造し、販売元となるためです。自治体や事業者が自ら売主になる形を取るなら、免許の判定は別に必要です。

相談の前に決まっていると早い3つ

  • 掲載するポータルと、申込画面・納品書を誰が直せるか
  • 醸造所が指定する保存方法(常温か要冷蔵か)
  • セットの本数と容量、化粧箱を付けるかどうか

この3つがあれば、ページに載せる項目と撮影の構成は初回の打ち合わせで決められます。返礼品の開発全体の進め方は自治体向けのふるさと納税オリジナル返礼品の開発方法にまとめています。

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出典

よくある質問

返礼品ページに、ビールの品目やアルコール分を書く義務はありますか

容器への表示義務は酒類業組合法第86条の5と同施行令第8条の3第1項にあり、製造者の氏名又は名称・製造場の所在地・内容量・品目・アルコール分が並びます。ページ側にそのまま書き写す義務を定めた条文はありませんが、寄附者がページ上で最初に探す項目と重なるため、ラベルの校正が確定した時点で同じ文字列を載せる運用が扱いやすくなります。

20歳未満の飲酒防止の表示は、返礼品ページのどこに置きますか

国税庁告示第9号第7項が3か所に分けています。広告又はカタログ等(インターネットを含む)、申込書等または申込みに関する画面(申込者の年齢記載欄を設けた上で、その近接する場所)、購入者に交付する納品書等です。第8項により、インターネット等の場合の文字は酒類の価格表示に使っている文字以上の大きさとされています。

賞味期限は返礼品ページに書かなければいけませんか

食品表示基準第3条第3項の表は「消費期限又は賞味期限」の欄に酒類を挙げており、表示を省略できます。ただし寄附者は届いてから飲むまでの日数を知りたいので、書く場合は製造からの期限と、発送時点で残っている日数の下限を分けて書くと誤解が減ります。書くと決めた時点で、設定の根拠と、下限を割った在庫を出さない運用が必要になります。

「生ビール」と書けば常温で送れますか

送れるとは限りません。ビール酒造組合の特定用語の表示基準では、「生ビール」「ドラフトビール」は熱による処理をしていないビールを指すだけで、保存温度について何も定めていません。常温で流通できるかは商品ごとの保存方法の指定で決まり、酵母が残っているものには要冷蔵の指定が付きやすくなります。

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TAP TO BREW Editorial
クラフトビールの最新トレンド、ブランド戦略、醸造の裏側をお届けするTAP TO BREWの編集チーム。株式会社TSURATSURA運営。

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